リンカーン大統領暗殺事件に関与したことでアメリカ合衆国連邦政府史上初めて死刑となった女性メアリー・サラット。メアリーを題材にロバート・レッドフォード監督が映画化した『声をかくす人』のあらすじ&感想

声をかくす人ワンシーン

映画『声をかくす人』は、リンカーン大統領暗殺事件に関与したことでメリカ合衆国連邦政府史上初めて死刑となった女性メアリー・サラットの悲劇であり、また、彼女を弁護するため理不尽な国家に抗った若き弁護士フレデリック・エイキンの成長物語である。

事件の犯人の中に女性がいたこと、しかも絞首刑になったことを、知っている人はそう多くはないだろう。

映画は史実に基づきながら、アメリカでも語られなかった真実を明らかにしていくヒューマンドラマとなっている。

 


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あらすじ

62万人という米国史上最多の死者を出した南北戦争。

その南北戦争がようやく終結して間もない1865年、南北の争いが再燃しかねない大事件が起こった。

リンカーン大統領暗殺事件である。

すぐに犯人グループが逮捕されるが、その中に南部出身の未亡人メアリー・サラット(ロビン・ライト)がいた。

彼女が営む下宿屋を、犯人たちのアジトとして提供した、として共謀罪の烙印押されたのだ。

南北の争い再燃を恐れる陸軍長官は、素早い事件の収束を意図して、民間人であるメアリーたちを軍法会議にかける。

ただし、それは全員死刑という判決結果があらかじめ既定されていた。

メアリーの担当弁護士を引き受けることになったフレデリック(ジェームズ・マカヴォイ)は、北軍出身ということもあり、最初は弁護に抵抗を感じるが、メアリーの毅然とした態度と、最初から結論ありきの裁判そのものに疑問を感じ、やがてメアリーは無実ではないかと思い始める・・・。


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監督は

監督は、俳優だけではなく監督としても評価の高いロバート・レッドフォード。

彼は『クイズショウ』(’94)や『大いなる陰謀』(’07)という作品で、個が犠牲にされて国家や巨大権力が常に優先される不条理を描いてきた。

本作『声をかくす人』においても国家という巨大組織の利益のために平然と陰に葬られるちっぽけな個という歴史的題材を元に、法の公正や正義のあり方を問う。

ちなみに、本作は、綿密な取材を通して執筆されたジェームズ・ソロモンの脚本を元に、徹底的なリアリティーを追求したという。

メアリーの独房のサイズから服装、さらにはその生地までリサーチしたとのこと。また光源をガス灯、灯油、ろうそくの光など1865年当時とまったく同じにするなど徹底的にこだわったそう。

実際、映画の中は仄かに暗いセピア色のイメージで一貫していたと思う。

加えて、メアリー・サラット役のロビン・ライトもメアリー本人写真とくらべても違和感のないほど役にはまっていた。あと、端役であったが犯人グループ面々も実際の写真で見る犯人たちにそっくりで驚いた。

史実に沿ったストーリーで話の展開は地味かもしれないが、ロビン・ライトとジェームズ・マカヴォイの心理劇としてはすばらしい作品だと思う。

ただし、結末は、歴史的事実なのであるから、分かってはいたが・・・メアリーの絞首刑シーンは、とてつもない虚無感を感じた。

鑑賞後、すっきりすることは微塵もない。良質なドキュメンタリー映画に近いと言っても過言ではないだろう。

おまけ

 

 

メアリー・サラットの肖像とメアリーを演じるロビン・ライト

メアリー・サラットの肖像とメアリーを演じるロビン・ライト

 

 

独房のルイス・ペインを演じるノーマン・リーダス

独房のルイス・ペインを演じるノーマン・リーダス

 

 

アレクサンダーガートナーが撮影した独房のルイス・ペイン

独房のルイス・ペイン(本物)

 

 

ノーマン・リーダス

ルイス・ペインを演じたノーマン・リーダス

 


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